こらこら

「初見さんいらっしゃい」に強い憧れ。

筍物語

常務にもらった筍でなんやかんや作った。

筍を料理してると嫁だった頃のことを思い出してしまうんだよなぁ。1年で最も力を入れていた食材のひとつだったのでね。ない?そういうの。もう食材としての枠を超えてしまった特別扱いのもの。多くは物語のあるなんたらかんたらって言って美しく語られるのだろうけども。今年もお義父さんはあの長靴で竹の子を掘りに行ったのだろうか…とか。お義母さんは今年もあの糠をあの升でぺーっ!と鍋にぶち込んで茹でたのだろうか…とかさ。まあまあ美しくはあるが痛い。あー痛い。痛いなぁと、こう、時々天を仰ぎながら料理した。

ただ、今年手元にあったのは「かつてスナックのママだった常務にもらった筍」で。つまり長靴も糠も出てこない、筍第2章がすでに始まっているということ。頭ではわかっているんだけど、まだ手指に生々しく昔の物語が残っているだけでね。だから来年は新しいレシピを探して、新しい手順で新しい味付けの何かを作って、私の筍物語を完全リニューアルしようと思う。