こらこら

「初見さんいらっしゃい」に強い憧れ。

いいこと

いいことがあったんです。ちょっと喋っていいですか。時間だいじょうぶですか。うん。あのね、会社入って1年たったんですよ、私。仕事のひとつに道具のコーディネーターみたいなのがあって、それが要資格で、そう、学校行ってたやつ、たぶん私に求められてる役割の中で一番の…要?なんです、たぶんね。

会社にはお客さんが50人くらいいるんだけど、その50人は道具が必要になったら私のところに相談に来るんですね。それで私は話聞いたり現場見に行ったりして、その人に最適な道具を選ぶわけ。で、提案してまるが出たら業者さんにその道具を発注する。まあその後は業者さんと現場行って納品してフォローしてお客様えがおーおめでとーってなるんですけど。

最初のころは、話聞いても現場行っても何をどうしたらお客さんが満足すんのかさっぱりわかんなかったのね。だから業者さんにすぐ電話して飛んできてもらってたんですよ。わかんね!助けて!なんか全員こわいの!って。で一緒に道具を選んでもらう、みたいな。もーほんと、すんません、すんませんって言ってさ。

いつも飛んできてくれたのはふらさんって方で。ムーミンに似てる男の人。いまだにいろいろふらさんに相談して決めてて、こないだもとあるお客さんの道具を一緒に決めてね、それが今日納品だったんです。でも今日はふらさん他所の現場に行ってたらしくて。別の男の人が来てくれたんですよ。その人は神経質そうなほっそい体のメガネの人。

で、こっからよ。

そのメガネの人がね、お客さんの所へ向かう道のりの途中でね、「もうすっかり一人前になられましたね、こらさん」って言ったの!急によ?え、ちょっともっかい言ってもらっていいですか?ってなった。「随分勉強したんでしょ。もう大丈夫です。ふらも言ってましたよ」って!最高の笑顔で、だよ?ね?泣くでしょ!うん。泣いたわ。だって私毎日反省会だもん、家で。だめだー前任の穴が埋められねーって。だから唐突に褒めてもらってお花が咲いちゃった。そん時エレベーターの中で二人きりだったから、好きです!って言ってしまうかと思った。そう。ははは。うん、そんなことがありました。めっちゃ喋っちゃっいましたね。ありがとう、聞いてくれて。なんか頑張れそうです。うん。ありがと。じゃあまたね。